ローカル線でのんびりと旅をしたい季節が近づき、そんなときは切符一枚で乗り放題の旅へ・・・。そこで「北海道&東日本パス」での旅はいかがだろうか? この切符は青春18きっぷと同じく、発売時期は通年ではなく、春・夏・冬の年3回と決まっており、じっくりと集中して列車に乗りたいときにお勧めである。
北海道&東日本パスの利用概要
利用可能な路線
- 以下の路線の普通・快速列車の普通車自由席が切符の利用開始から7日間放題
- JR北海道、東日本の全線
- BRT(バス高速輸送システム)
- 青い森鉄道線の全線
- IGR銀河鉄道線の全線
- 北越急行線の全線
- 特急列車は原則利用不可であるが、特例として以下の場合は特急列車に乗車可能である。
- 北海道新幹線「新青森~新函館北斗」間
→北海道&東日本パス北海道線特急オプション券と併用すれば、
区間内のみ普通車の立席(空き席)に乗車可能 - 北海道内の在来線の特急列車
→北海道&東日本パス北海道線特急オプション券と併用すれば、
自由席のみ乗車可能 - JR石勝線の特急列車「新夕張~新得」間
→区間内のみ、特急券なしで乗車可能 - JR奥羽本線の特急列車「青森~新青森」間
→区間内のみ、特急券なしで乗車可能
- 北海道新幹線「新青森~新函館北斗」間

価格
おとな11,330円、こども5,660円
有効期間
連続する7日間
*任意の7日間でなく、連続する7日間である点に注意(利用開始日は購入時に指定する)
利用期間・発売期間
発売時季 | 発売期間 | 利用期間 |
---|---|---|
春季 | 2021年2月20日~2021年4月16日 | 2021年3月1日~2021年4月22日 |
夏季 | 2021年6月20日~2021年9月24日 | 2021年7月1日~2021年9月30日 |
冬季 | 2021年12月1日~2022年1月4日 | 2021年12月10日~2022年1月10日 |
北海道&東日本パス北海道線特急オプション券について
前述の通り、「北海道&東日本パス」と「北海道&東日本パス北海道線特急オプション券」を併用することで、北海道新幹線「新青森~新函館北斗」間の普通車の立席(空き席)と、北海道内の在来線特急列車の自由席の乗車可能となる。
本特急オプション券の価格は、おとな6,110円、こども3,050円。「北海道&東日本パス」と同期間で発売しているが、8月1日〜19日、12月28日〜1月6日は本特急オプション券は利用できないので注意が必要である。
青春18きっぷとの違い
北海道&東日本パスと特徴が似ている「青春18きっぷ」というフリー切符が存在する。(おそらく「青春18きっぷ」の方が、存在としてはメジャーであると思われるが)
似ている両者について、それぞれの異なる点を比較してみよう。
比較項目 | 北海道&東日本パス | 青春18きっぷ |
---|---|---|
利用可能路線 | JR北海道・東日本+α(※1) | JR全線 |
有効期間 | 連続した7日間 | 任意の5日間 |
1日あたりの価格(※2) | 1,618円 | 2,410円 |
1枚あたりの利用可能人数 | 1人のみ | 1人または複数人(※3) |
(※1)青い森鉄道線全線、IGR銀河鉄道線全線、北越急行線全線も利用可能
(※2)販売価格をそれぞれの有効期間で割った価格
(※3)5人で1日、2人で2日間+1人で1日間、など
北海道&東日本パスでどの程度周れるか?
北海道&東日本パスを使って、7日間でどの程度乗り周ることができるだろうか? 東京出発で、最終日の7日目は館山(千葉県)到着の行程を考えてみた。(最新のダイヤでは時刻が異なる場合あり)
- 1日目 東京 07:07発 → 新青森(青森県) 22:24着
※経由:京浜東北線、宇都宮線、東北本線、IGRいわて銀河鉄道線、青い森鉄道線、奥羽本線 - 2日目 新青森(青森県) 9:04発 → 旭川(北海道) 15:25着
※経由:北海道新幹線、特急北斗、特急カムイ(特急オプション券使用) - 3日目 旭川(北海道) 9:19発 → 知床斜里(北海道) 17:08着
※経由:石北本線、釧網本線 - 4日目 知床斜里(北海道) 07:26発 → 新青森(青森県) 19:42着
※経由:釧網本線、特急おおぞら、特急カムイ、北海道新幹線(特急オプション券使用) - 5日目 新青森(青森県) 07:09発 → 十日町(新潟県) 21:36着
※経由:奥羽本線、羽越本線、信越本線、上越線、北陸急行ほくほく線 - 6日目 十日町(新潟県) 11:52発 → 甲府(山梨県) 18:52着
※経由:飯山線、篠ノ井線、中央本線 - 7日目 甲府(山梨県) 07:46発 → 館山(千葉県) 13:36
※経由:中央本線、中央線快速、総武線快速、内房線
この行程の場合、北海道&東日本パスを使わない場合の運賃(特急料金を含む)の合計は約7万6千円となる。切符の価格の元は十分すぎるほど取れているが、朝から夜までほぼ電車に乗りっぱなし日もあるので、熟練した乗り鉄でないと少々厳しい工程かもしれない。
実際にはここまで詰め込まなくても、切符の価格の元が取れれば、あとはゆったりとした行程を組むのがよいのではないだろうか。場合によっては、特例以外の新幹線や特急列車で先の駅へ「ワープ」してもよいと思う。
「北海道&東日本パス」で、無理のない楽しい旅を!