東京都の「葛飾区」とはどのようなイメージがあるだろうか?
大人気漫画の「こちら葛飾区亀有公園前派出所」や、フーテンの寅さん(車寅次郎)で知られる映画「男はつらいよ」を思い浮かぶ方が多いのではないだろうか。どちらにしても「風情ある下町」というイメージが葛飾区には強いように思われる。
今回は、後者の舞台となった柴又を訪れてみることにした。
出発は金町駅。JR常磐線の各駅停車が乗り入れる駅である。
葛飾区は東京都の東部に位置し、都内で唯一埼玉県(三郷市、八潮市)と千葉県(松戸市)の両方に隣接している自治体である。
金町駅は常磐線の都内の最東端駅にあたり、江戸川を越えると、そこは千葉県松戸市である。
金町駅の南口側には、京成電鉄金町線の終着駅・京成金町駅がある。京成金町線は、京成高砂駅と京成金町駅を結ぶ単線の路線で、唯一の中間駅に柴又駅がある。
金町駅から柴又帝釈天に向かうのだが、1駅分で約1.5キロ程。のんびり歩くことにする。
京成金町線の線路沿いを歩くこと約15分、帝釈天参道に到着。参道の両側には懐かしさと歴史を感じさせる数々のお店が立ち並ぶ。
写真右側の「とらや」は、明治20年に創業した老舗であり、柴又名物の草団子を販売している。「男はつらいよ」の撮影でも使われたそうである。
帝釈天参道を抜けた先にある柴又帝釈天の正門に到着。
「柴又帝釈天」というのは通称で、正式名称は「経栄山 題経寺」と云う。本来、「帝釈天(たいしゃくてん)」とは仏教の守護者である天部の一つのことを指すが、ここ柴又では「帝釈天」とは題経寺の呼び名として使われることが多いようである。
帝釈天の境内には有料施設の「邃渓園(すいけいえん)」という日本庭園があり、設けられた回廊から庭園を観賞することができる(庭園内への立ち入りは不可)。また、帝釈天の建造物には所々彫刻が施されており、一般向けに公開されている彫刻ギャラリーを見学することが出来る。この彫刻ギャラリーは邃渓園との共通券になっているので、セットで観覧するとよい。
今回は訪問しなかったが、柴又の観光名所として「男はつらいよ」の世界観および各種資料の展示した「葛飾柴又寅さん記念館」がある。また柴又に来る機会があれば立ち寄ってみたいと思う。
帝釈天参道の来た道を戻り柴又駅へ。「男はつらいよ」の雰囲気を考慮した瓦葺きの駅舎が特徴的である。
柴又駅前には「フーテン寅像」。故郷の柴又を旅立つ寅さんが妹のさくらに振り返るシーンを再現している。(寅さんの視線の先には妹さくら(の像)がいる)
柴又駅の1番線ホーム(高砂方面)は若干広々としている印象。京成金町線は単線であるため、上下線の列車交換は唯一の中間駅である当駅にて行われる。
高砂行きの列車に乗車し、京成本線との乗換駅である高砂駅へ。葛飾・柴又の散歩はこれにて終了である。