路線や列車の廃線・廃止のニュースが多い中、2017年春のダイヤ改正に伴い、広島県のとある路線が延伸開業された。その路線とはJR可部線。ただの延伸ではなく、過去に区間廃止となった路線の「復活」である。
可部線とは
可部線とは、広島県の「横川駅」と「あき亀山」を結ぶJR西日本の鉄道路線である。路線の営業キロ(横川駅〜あき亀山駅間)は、15.6km。全線単線、全区間各駅に停車する普通列車であり、日中は20分間隔で運行されている。
広島駅を起点に運転されており、あき亀山方面からのほとんどの列車は広島駅で折り返す。一部の列車は山陽本線・呉線方面へ乗り入れる。
過去の廃止、そして復活へ
利用者の減少に伴い、2003年12月1日に、可部駅〜三段峡駅間(営業キロ46.2km)が廃止された。廃止後も廃止区間を鉄道として再生しようという動きがあり、2017年春のダイヤ改正(3月4日)にて、可部駅〜あき亀山駅間(営業キロ1.6km)が延伸開業された。
一旦廃止されたJRの路線の復活は全国で初めての事例であり、この区間の延伸(復活)に至る過程には、地元住民の熱心な電化延伸運動が存在していた。
延伸区間の終端駅である「あき亀山駅」は、正式駅名が決定する前の仮称は「新河戸駅」(しんこうどえき)であり、400mほど可部駅方向に旧・可部線時代の河戸駅(こうどえき)が設置されていた。また、廃止された安芸亀山駅と区別するために「安芸」を平仮名表記にしている。
あき亀山駅〜可部駅の中間には、延伸に伴い「河戸帆待川駅(こうどほまちがわえき)」も新規開業されている。