沼津・富士をめぐる冬の小さな旅

東海道本線と東海道新幹線、そして身延線。
富士山の麓を通る路線をたどりながら、沼津と富士をめぐる1泊2日の旅に出た。冬の空気は冷たいが、そのぶん景色の輪郭ははっきりしている。
【1日目】沼津港から富士へ
都心から東海道線で熱海へ向かい、沼津方面の東海道本線に乗り継ぐ。 沼津駅で下車すると、駅前は風が強く、想像していた以上に冷たかった。海が近い街らしい空気を感じる。 駅前からバスに乗り、沼津港へ向かう。所要は15分ほど。




沼津港に到着。
昼食は、「海鮮丼専門店 伊助」さんでいただくことにした。メニューが豊富で迷ったが、「港のまかない御膳」を注文。新鮮な地魚を使った海鮮丼で、途中から出汁をかけてお茶漬けとしても楽しめる内容だった。港町らしい定番ではあるが、場所に素直に合った一杯だった。
食後、ぬまづみなと商店街を歩いてみる。食事処や土産物店が並び、観光地らしい景色が広がっている。平日かつ訪れた時間帯のためか人はそれほど多くなく、落ち着いた雰囲気だった。港町の観光地としての顔を感じつつ、ゆっくりと歩けるのが印象的だった。
その後、深海水族館へ向かう。深海生物という少し珍しいテーマだが、港町・沼津という立地によく合っており、短時間ながら記憶に残る施設だった。




再びバスで沼津駅へ戻り、沼津港を後にした。
東海道本線で富士駅へ移動する。車窓の景色は徐々に開け、富士山の麓へ近づいていく感覚があった。
富士駅に到着すると、駅から富士山の姿を見ることができた。




富士駅からはバスで新富士駅へ向かう。
そこから徒歩で、この日の宿泊先「ホテルルートイン新富士駅南」へ。夜の街は静かで、移動そのものがゆっくりとした時間に変わっていった。
【2日目】富士山本宮浅間大社へ
翌朝は快晴。
ホテルの窓から外を見ると、雲の間から富士山の頭がうっすらと見えていた。冬の空は澄んでいて、その青さが印象に残る。
新富士駅からバスで富士駅へ戻り、身延線に乗車。
ローカル線らしい穏やかな車内で、富士山本宮浅間大社の最寄りとなる西富士宮駅へ向かう。




西富士宮駅に到着。
駅舎はコンパクトで、全体として落ち着いた雰囲気がある。利用客の姿は多くないが、観光地の玄関口というより、日常の中にある駅といった印象を受けた。
駅を出て通りに出ると、車の流れは途切れず、それなりの交通量がある。
このあたりが生活道路として使われていることが分かり、駅前の静けさと通りの動きの対比が印象に残った。




駅から徒歩10分ほどで、富士山本宮浅間大社に到着。
鳥居の先に富士山が見える構図を思い描いていたが、この日は雲に隠れていて、その姿は確認できなかった。それでも朱色の鳥居には存在感があり、富士山が見えなくても画になる風景だった。
境内は広く、参拝客の姿もあるが、全体としては落ち着いている。
歩いているうちに、周囲の様子に自然と意識が向き、足取りも少しゆっくりになる。
社殿周辺だけでなく、境内を一通り巡ってみると、この場所が長い時間をかけて大切にされてきたことが伝わってくる。富士山そのものは見えなくても、麓に来ているという感覚は十分にあった。




参拝を終えたあとは、富士山本宮浅間大社の近くにある「お宮横丁」で富士宮焼きそばを食べる。
名物として知られているが、この場所で味わうことで、旅の一部として自然に記憶に残った。
その後、静岡県富士山世界遺産センターにも少し立ち寄り、富士宮駅へ向かう。




富士宮駅からは特急ふじかわに乗車した。
30分後の普通列車を待ってもよかったが、富士宮〜富士の自由席は330円。せっかくなので、特急を選ぶことにした。
富士駅に戻るころには、旅の終わりが近いことを意識し始めていた。
富士駅から新富士駅までは徒歩で移動する。30分ほどかかったが、街の広がりを感じられる距離だった。




新富士駅から東海道新幹線こだまに乗り、帰路につく。
港町と富士山の麓をめぐる旅を終えた。



