『夏の関西1デイパス』使って、夏の比叡山へ。関西圏のJR西日本指定区間乗り放題と、4種類のチケット(指定エリアへの私鉄往復乗車券または乗り放題、現地の割引優待等が含まれる)が選択可能な、お得なきっぷである。

※『関西1デイパス』の詳細はこちら


(南海特急)関西空港から大阪市内へ

『夏の関西1デイパス』を1日有効に使用するために、千葉(成田空港)から飛行機で関西に前日入り。成田空港→関西空港は約1時間半のフライトである。

関西空港の最寄駅は、JRと南海線が乗り入れている関西空港駅。翌日から使用予定である今回の旅の主役『夏の関西1デイパス』をJRの自動券売機で忘れずに購入(当日の購入は不可のため)。

関西空港駅から大阪市に向かうのだが、折角なので南海特急「ラピートβ」で終着の「なんば」に目指すことにした。ちなみに、特急ラピートはαとβの2種類があるらしく、速達タイプがα、今回乗車した停車駅が多いタイプがβというらしい。

関西空港駅
関西空港駅
南海特急ラピートβ
南海特急ラピートβ(関西空港駅にて)

関西空港から40分程で「なんば」に到着。南海線の起点駅にあたり、JR・阪神・近鉄・大阪メトロも乗り入れている大阪市中心部に位置するターミナル駅である。

南海なんば駅のりば
南海なんば駅付近

なんば駅から道頓堀へ徒歩移動。この日は道頓堀を軽い散策する程度にとどめ、翌日からの『夏の関西1デイパス』の旅に備える。

道頓堀
道頓堀
かに道楽
かに道楽

新大阪からJR京都線で滋賀方面へ

翌日、『夏の関西1デイパス』の利用開始。比叡山に行くルートは京都側または滋賀側からのどちらかとなるが、『夏の関西1デイパス引換券』で交換可能であるのは、『比叡山チケット【滋賀ルート】』のため、滋賀側からの比叡山入りとなる。

心斎橋→新大阪を大阪メトロ御堂筋線で移動し、JR線に乗り換え。新大阪から『夏の関西1デイパス』の出番となる。JR京都線に乗車し、滋賀方面を目指す。

夏の関西1デイパス使用区間 *クリックで拡大
JR新大阪駅(在来線のりば)
JR新大阪駅(在来線のりば)

京都から3駅米原寄りの駅、膳所(ぜぜ)に到着。京阪大津線との接続駅である。京阪膳所駅の窓口にて、『夏の関西1デイパス引換券』を提示し、京阪大津線(京津線・石山坂本線)、坂本ケーブル等が乗り放題となる『比叡山チケット【滋賀ルート】』チケットと交換。

JR膳所駅
JR膳所駅
京阪膳所駅
京阪膳所駅

京阪膳所から20分程で、京阪石山坂本線の終着駅である坂本比叡山口に到着。比叡山と連絡している坂本ケーブルの最寄駅であり、当駅前からは坂本ケーブルの駅(ケーブル坂本駅)に連絡するバスが発着している。徒歩の場合は、ケーブル坂本駅まで約10〜15分程。

坂本比叡山口駅①
坂本比叡山口駅①
坂本比叡山口駅②
坂本比叡山口駅②

坂本ケーブルのケーブル坂本駅から終点のケーブル延暦寺駅まで乗車。この坂本ケーブルは「日本一長いケーブルカー」であり、頂上までは乗車時間は約11分。車窓からは琵琶湖の景観や比叡山に自然を楽しむことができる。

ケーブル坂本駅前
ケーブル坂本駅前
坂本ケーブル(ケーブル坂本駅にて)
坂本ケーブル(ケーブル坂本駅にて)

ケーブル延暦寺駅に到着。あいにく曇り空ではあったが、標高は638メートルあり、大津市の市街地と琵琶湖を見渡すことができる。

雨が降ってきたので、観光向けに貸し出している傘を借り、いざ比叡山延暦寺の散策へ。天候のおかげか、先程まで地上で感じた蒸し暑さとは違い、かなり涼しい。このコンディションであれば、散策には問題なさそうである。

ケーブル延暦寺駅
ケーブル延暦寺駅
ケーブル延暦寺駅付近からの展望
ケーブル延暦寺駅付近からの展望

比叡山延暦寺・東塔エリアを散策

ケーブル延暦寺駅から徒歩10分程で、比叡山延暦寺の入り口に到着。「比叡山延暦寺」とは、東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)の3つのエリアの総称であり、延暦寺という一棟の建物が存在するわけではない。

東塔エリアの入り口で入場券を購入。本来であれば1,000円する入場券が、関西1デイパスを見せることで、800円(200円の割引)となった。

東塔エリア入口
比叡山延暦寺・東塔エリア入口
比叡山延暦寺案内マップ
比叡山延暦寺案内マップ

東塔エリアは、比叡山延暦寺の中心であり、総本堂の「根本中堂(こんぽんちゅうどう)」、大講堂、法華総持院東塔などの重要な堂宇が集まっている。

まずは、東塔エリア入り口に程近い「根本中堂」から見学。先述の通り、延暦寺の総本堂であり、東塔エリア最大の仏堂である。ただ、現在は改修中で建物の外観を見ることができなかった。(改修工事中だが内覧は可能)

どうやら2016年から約10年かけて改修が行われているとのことで、予定通りであれば改修が終わるのは今から4年後の2026年となる。

根本中堂近辺
根本中堂近辺
根本中堂(改修工事中)

根本中堂の東側にある高い石段(中々の急勾配)を登った先にあるのは「文殊楼(もんじゅろう)」。延暦寺の山門にあたり、徒歩で本坂を登ってくると、まずこの門を潜ることになる。

文殊楼へと続く石段
文殊楼へと続く石段
文殊楼
文殊楼

延暦寺事務所、休憩所、売店がある広場まで戻ってきたので、ここで小休止。売店でみたらし団子(お茶付き)を注文して一服することにした。休憩しながら手元にある延暦寺マップを見て、今後のルートについて確認する。まだまだ東塔エリアの入り口付近を周ったにすぎないので、本格的な散策はここからとなる。

延暦寺事務所付近
延暦寺事務所付近
売店で注文したみたらし団子
売店で注文したみたらし団子

休憩のあとは、大講堂、戎壇院と続いて周る。「大講堂」は、比叡山東麓に鎮座する東照宮の讃仏堂であったものを1964年(昭和39年)に現在の場所に移築したもの。「戎壇院」は、僧侶が「戒」を授かる授戒の場として知られる。

大講堂
戎壇院

先に進むと長い石段が見えてきた。この石段を登り切った先には正面には阿弥陀堂がどっしりと構える。「阿弥陀堂」は、阿弥陀如来坐像を本尊としており、先祖回向(一般参加)も行われている。

阿弥陀堂の横に鎮座する「法華総持院東塔」は、日本の天台宗の開祖である伝教大師(でんぎょうだいし)最澄が全国6か所の宝塔を建て、日本を護る計画をされたが、その中心の役割をするのがこの東塔と云われている。

阿弥陀堂、東塔へと続く石段
阿弥陀堂、東塔へと続く石段
阿弥陀堂(写真手前)、東塔(奥)
阿弥陀堂(写真手前)、東塔(奥)

東塔エリアの散策はここまで。次は西塔エリアへ。

■次回

【夏の関西1デイパス】続:比叡山延暦寺散策(西塔エリア)、神戸三宮へ