比叡山延暦寺・西塔エリアを散策
– 前回の続き –
西塔エリアは、東塔から北へ1km程のところにあり、本堂にあたる釈迦堂を中心とするエリアである。東塔エリアとはシャトルバスで連絡しているが、歩けそうな距離であったので、散策を兼ねて徒歩で西塔エリアに向かうことにした。
東塔から西塔エリアに向かう途中(両エリアの中間辺り)にある「浄土院」には、伝教大師最澄の廟が置かれている。当院は、西塔エリア寄りに位置しているが、所属は東塔エリアとなる。
石で作られた五重照隅塔が見えてきた。この辺りが西塔エリアのバス停、拝観入口付近のようである。ここまで、東塔から徒歩20分程である。
拝観入口を進み、立ち並ぶ杉の木を抜けたその先には、渡り廊下のようなもので繋がった2つの同じような建物が並ぶ。進行方向(釈迦堂方面)左側が常行堂、右側が法華堂(にない堂)である。
「釈迦堂(転法輪堂)」に到着。西塔の本堂にあたり、延暦寺の現存する建築物では最古のものである。一般には本尊の釈迦如来にちなみ、釈迦堂の名で知られている。
残るは横川(よかわ)エリアであるが、西塔エリアから4km程離れており、時間的な都合により、今回は横川エリアの散策は断念することにした。比叡山延暦寺の散策はここまでとし、西塔エリアからシャトルバスで坂本ケーブルのケーブル延暦寺駅の最寄りバス停まで乗車。
今回は関西1デイパスの引換券で交換したチケットがあるので、往路・復路共に坂本ケーブルを利用しているが、場合によっては京都側からのアクセスルート(叡山ケーブル・ロープウェイルート)を利用するのも有りである。
坂本ケーブルで下山した後は、ケーブル坂本駅前から発着している路線バスに乗り換え、終点のJR湖西線の比叡山坂本駅まで乗車。
湖西線はレトロな車両がまだ現役のようである。入線してきた緑一色の117系に目を奪われ、思わず撮影。
京都行きの電車に乗車し、山科駅で大阪方面の快速に乗り換え。目的地は大阪より更に西側、神戸を目指す。
神戸に到着。神戸駅は、東海道本線と山陽本線の境界駅であり、駅構内には両線の境界線であることを示す「0キロポスト」が建てられている。
時刻は既に夕暮れ時で、辺りが暗くなり始めていた。今夜の宿泊先の最寄駅が隣の元町駅なので、再びJR神戸線に乗車し、元町駅へ移動。これにて、今回の『夏の関西1デイパス』の利用は終わりとなる。
宿泊先は、旅の際によくお世話になっているドーミーイン系列のホテルで『天然温泉 浪漫湯 ドーミーイン神戸元町』。
■電車によるアクセス
JR・阪神「元町駅」東口より徒歩約4分
メリケンパーク、神戸・三宮へ
翌日(最終日)。宿泊したドーミーイン神戸元町から徒歩7〜8分程の場所にあるメリケンパークを早朝散策。
メリケンパークとは、神戸港にある緑地公園であり、神戸ハーバーランドが隣接する。景観として、神戸ポートタワー、神戸海洋博物館、ホテルオークラ神戸などが建ち並ぶ。
公園の東側には、1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で崩壊したメリケン波止場をそのままの状態で残しており、「神戸震災メモリアルパーク」として震災による神戸港の被災状況や復旧過程などの記録が保存されている。
公園内にはスターバックスコーヒーがあり、散策がてらカフェ休憩を楽しむことができる。
メリケンパーク散策のあとは、神戸駅を経由して三宮を目指す。神戸市営地下鉄海岸線の「みなと元町」から一駅「ハーバーランド」まで乗車。ハーバーランド駅はJR神戸駅、阪急電鉄・阪神電車の高速神戸駅と接続している。高速神戸駅から阪急線に乗車し、神戸三宮駅へ。
「三宮(さんのみや)」は、JR(三ノ宮駅)、阪急電鉄・阪神電車(神戸三宮駅)、神戸新交通(三宮駅)、神戸市営地下鉄(三宮駅)が乗り入れるターミナル駅であり、神戸市のみならず兵庫県を代表する駅である。
この後、新幹線で帰路に着く予定だが、神戸市の新幹線の玄関口である「新神戸駅」はJR在来線は乗り入れていないため、神戸市営地下鉄の三宮駅からアクセスが可能(一駅)となっている。
新神戸駅に到着。JR(新幹線)は、改札口が1箇所であり、通過線がない2面2線のコンパクトな造りとなっている。全旅客列車が停車するため、「のぞみ」で東京および博多まで乗り換えなしでアクセスが可能である。
東京までは「のぞみ」で約2時間40分だが、静岡の3駅に停車する「ひかり」で少しだけのんびり(約3時間)帰ることにした。
以上で、今回の関西の旅は終了である。
- 『夏の関西1デイパス』利用まとめ
- ①関西1デイパス利用区間(JR)
・新大阪→膳所、比叡山坂本→神戸→元町
- ②引換チケット『比叡山チケット【滋賀ルート】』利用区間
・京阪膳所→坂本比叡山口(京阪電車)
・坂本ケーブル(ケーブル坂本駅〜ケーブル延暦寺駅往復)
・比叡山シャトルバス(西塔→東塔)
・江若交通バス(ケーブル坂本駅→比叡山坂本駅) - 通常運賃
①JR:2,810円(移動距離:144.9km)
②京阪電車:240円、坂本ケーブル往復:1,660円
比叡山シャトルバス:250円、江若交通バス:250円
合計:5,210円
- ①関西1デイパス利用区間(JR)
関西1デイパスの販売価格が3,600円のため、延暦寺拝観券の200円割引も含めると、1,810円分がお得だったと言える。