東京、名古屋、大阪といった三大都市圏を結ぶ日本の大動脈とも言える東海道新幹線。その東海道新幹線を走る「こだま」号を格安で利用できるプランをご存知だろうか?

その名も【ぷらっとこだま】。JR東海ツアーズが販売している商品である。その特徴を紹介していこう。

東海道新幹線 N700A
【東海道新幹線 N700A】

東海道新幹線「こだま」とは?

「こだま」は、東海道新幹線および山陽新幹線で運行されている各駅停車タイプの列車の愛称である。行き先案内表示等における種別色は青色が使用される。(速達タイプの「ひかり」は赤色、「のぞみ」は黄色を使用)

東海道新幹線の「こだま」は、東京〜名古屋間で毎時2本、名古屋〜新大阪間で毎時1本運行されており(早朝・深夜帯を除く)、東京〜名古屋間を約2時間40分、東京〜新大阪間を約4時間で結んでいる。

「こだま」行き先表示
「こだま」行き先表示(英語表記ver.)

「こだま」は各駅停車であるが故に、ほとんどの駅で後続の「ひかり」と「のぞみ」に抜かれ、目的地まで時間がかかるが(それでも在来線を利用するよりも断然速い)、【ぷらっとこだま】でのんびりと格安で旅ができるのが「こだま」の魅力といっても良いかもしれない。

ぷらっとこだまの概要

【ぷらっとこだま】は、JR東海ツアーズが販売する企画旅行商品(きっぷとは異なる)であり、東海道新幹線の「こだま」が、通常料金よりもお得な価格で利用することができる。

東京〜新大阪間において、通常で購入する場合の普通車指定席の価格が14,400円(ひかり・こだま通常期)であるのに対し、【ぷらっとこだま】の同区間の価格は11,120円(通常期の場合)であり、3,280円もお得となる。グリーン車指定席のプランもあり、こちらは通常よりも更にお得な料金で使用できる。また、ソフトドリンクや350mlのアルコール飲料に引き換えることが出来る1ドリンク引換が1枚付いており、東海キヨスクなどの駅売店で引き換えが可能である。

【ぷらっとこだま】は企画旅行商品であり、通常の新幹線のきっぷとは異なるため、通常のきっぷを購入する場合と比較して制約が大きい点は注意が必要である。(詳細は後述)

ぷらっとこだま発着設定駅
【ぷらっとこだま発着設定駅】

販売要綱

  • 利用期間
    • 通年販売
      ※ただし下記期間は設定なし
      GW(ゴールデンウィーク)期間(2024年4月27日~5月6日)、お盆期間(2024年8月9日~8月16日)、年末年始期間(2024年12月27日~2025年1月5日)
  • 発売期間
    • 乗車予定日の1ヶ月前から前日の23時半まで(当日購入は不可)
  • 購入方法
    • 2024年3月からチケットレスに変更
      ※エクスプレス予約(年会費1,100円税込)または、スマートEX(年会費無料)の会員への入会が必要
  • 通常期における主な区間の発売価格
乗車区間普通車指定席グリーン車指定席
東京〜新大阪11,120円(▲3,280円12,470円(▲6,800円
東京〜京都10,790円(▲3,060円12,120円(▲6,600円
東京〜名古屋8,810円(▲2,280円9,720円(▲5,030円
東京〜浜松6,970円(▲1,470円9,080円(▲3,020円
東京〜静岡5,400円(▲1,070円6,600円(▲2,140円
名古屋〜新大阪4,990円(▲1,480円6,600円(▲2,140円
【ぷらっとこだま 価格表(主な区間)】

※()内の金額は、ひかり・こだまのきっぷの通常購入価格と比較した場合のお得額

ぷらっとこだま利用上の注意や制約事項について

  • 当日購入は不可。(乗車予定日の前日までに購入する必要がある)
  • 予約後は、利用人数・乗車日・列車・乗車区間・座席位置の変更等の内容変更は不可。(変更するためには一旦キャンセルした後、再度新規購入が必要となる)
  • 乗車日の10日前からキャンセル料が発生。
  • 指定された列車に乗り遅れた場合は、後続列車の自由席であっても乗車不可。(通常の特急券とは違い、同日の他列車の自由席を利用することはできない)
  • 指定された乗車区間以外での乗降は不可。(途中下車した場合は、出発地からの乗車券・特急券が必要となる)
  • 「東京都区内」「大阪市内」といった特定都区市内制度が適用されない。(券面に記載されている駅のみ利用可能)
  • 利用できる改札口がJR東海の新幹線専用改札口のみに限定される。
  • 企画旅行商品といっても、添乗員が同行するわけではない。

EXこだまグリーン早特との比較

東海道・山陽新幹線の会員制ネット予約サービスである「スマートEX」には、【ぷらっとこだま】と同じように「こだま」を格安に利用できる『EXこだまグリーン早特3』がある。このプランと【ぷらっとこだま】を比較してみよう。

比較項目スマートEX
(EXこだまグリーン早特3)
ぷらっとこだま
(グリーン車指定席・通常期)
購入期限乗車予定の3日前23時半まで乗車予定の前日23時半まで
利用期間GW、お盆、年末といった繁忙期は利用不可GW、お盆、年末といった繁忙期は利用不可
設定区間東海道新幹線の全駅・全区間東海道新幹線の一部駅・一部区間
価格【東京〜新大阪間】
 11,410円
【東京〜名古屋間】
 9,170円
【東京〜静岡間】
 6,140円
【東京〜新大阪間】
 12,470円
【東京〜名古屋間】
 9,720円
【東京〜静岡間】
 6,600円
予約変更乗車直前まで変更可(キャンセルの場合は払戻し手数料として320円がかかる)不可
予定列車に乗り遅れた場合乗車券のみ有効(当日の後続列車に乗車する場合は別途特急券の購入が必要)全て無効(当日の後続列車の自由席であっても乗車不可)
【EXこだまグリーン早特3/ぷらっとこだま の比較表】

『EXこだまグリーン早特3』はこだまのグリーン車を【ぷらっとこだま】と比較して価格が安くなっており、東海道新幹線の全駅・全区間で利用可能となっている。また、購入後の予約変更も可能という点も大きいだろう。しかし、購入期限が3日前までという制限があるため、予定が立てづらい場合は、前日まで予約可能な【ぷらっとこだま】に軍配が上がるだろう。

それぞれ異なる性質を持つので、利用時期・利用区間・予算などの状況に応じて使い分けるとよいだろう。