日高本線。北海道の苫小牧駅と様似駅を結ぶ路線である。
苫小牧〜様似間を約3時間半かけて運行し、全長は146.5km、旅客駅数は29駅に及ぶ。

日高本線の現状。一部廃線へ
日高本線は、2015年1月に起きた高波による土砂流出の影響により、鵡川駅〜 様似駅間が不通となっている。現在、列車が運行されているのは苫小牧〜鵡川間のみであり、鵡川〜静内間および静内〜様似間は代行バスが運行されている。
そして、JR北海道の厳しい経営状況等の理由により、鵡川〜様似間の一部廃線が2016年12月に発表された。
日高本線で襟裳岬に。そして帯広へ
日高本線が災害不通になる2年前に、日高本線で襟裳岬を訪問。
一部廃線になることを惜しみつつ、過去の訪問記を綴ります。
【訪問日:2013年8月】
出発は苫小牧駅。
苫小牧駅は、室蘭本線(千歳線直通含む)も乗り入れる。

日高本線「様似」行きに乗車。
車両とボックス席がローカルな旅気分を感じさせる。

目的は、襟裳岬の観光。
日高本線の終着駅である様似までは電車で行き、様似駅からは路線バスを利用して襟裳岬へ向かう。
襟裳岬の後は更に路線バスを利用し、帯広駅を目指す。

途中の静内駅では、長時間停車。全線単線の為、駅での停車時間も長い。
静内は日高本線の中では大きな駅であり、また列車運行上の要となる駅でもある。

静内駅の駅舎は大きく、新ひだか町観光情報センター「ぽっぽ」が併設されている。

日高本線は海沿いを走行する。この日は天気が良かったので、綺麗な海を車窓から見ることが出来た。砂浜に上げられているのは昆布であろうか?

苫小牧から約3時間半で、終着駅様似に到着。

様似駅の駅舎には観光案内所が併設されている。
様似駅から路線バスに乗り、襟裳岬へ。

様似駅から約1時間程で、襟裳岬に到着。

レストハウス内にある、在りし頃の「青春☆こんぶ神社」。青春☆こんぶとは、えりも町が生んだ萌えキャラクターである。

ちなみに、「在りし頃」というのは・・・、2016年1月にレストハウスが神社と共に火事で全焼してしまったらしい。。。
以前に訪問した場所が無くなってしまうというのはショック。復興に向けて頑張ってほしいです。
さて、襟裳岬は「風極の地」と言われるだけあり、年中を通じて風がかなり強い。風速10メートル以上の風の吹く日が、年間260日以上もある、日本屈指の強風地帯である。夏でも、その風のおかげで肌寒く感じられる程。

襟裳岬の先端へと続く道。一気に駆け降りたくなる。

襟裳岬「風の館」。風極の地である襟裳岬の風を有効利用したテーマ館である。
館内では風速25メートルが体験できるコーナーがあり、一体験の価値あり。

こちらが風速25メートルを体験できるコーナー。青春こんぶのキャラクター「霧夏」と「襟萌」と一緒に強風を体験できる。その強風は真っすぐ立っているのも困難である。

襟裳岬観光が終わり、今度は帯広駅へ。帯広駅へは路線バスを利用。襟裳岬から帯広駅への直通バスはないので、広尾で乗り継ぐ必要がある。
襟裳岬から広尾へは約1時間程で到着。この広尾は、元々は広尾線という廃線となった鉄道路線の駅であった。広尾バスターミナル内には鉄道路線の資料が展示されていたので、バスの待ち時間も飽きることなく楽しめた。
ちなみに、国鉄広尾線時代に、愛国駅〜幸福駅間の切符が「愛の国から幸福へ」として人気となり、一連の縁起切符ブームの火付け役となった。愛国駅と幸福駅には、廃駅となった今でも訪れる観光客が多いようである。

広尾から約2時間程で、最終目的地である帯広駅に到着。既に辺りは薄暗くなっていた。

日高本線のローカル満載な雰囲気と、襟裳岬の自然感は最高であった。
日高本線が一部廃線となってしまうのは残念だが、思い出はいつまでも心に残り続ける。